あけくれば まがきの島を ながめつつ 都恋しき 音をのみぞきく
源 信明
うしろめた 末の松山 いかならむ まがきの島を 越ゆる藤波
源 信明
面影の なほ忘られで 見ゆるかな まがきの島と むべもいひけり
能因
さてもなほ まがきの島の ありければ 立ち寄りぬべく 思ほゆるかな
後撰和歌集 源 清蔭
まがき島 たが結ひ初めし 岩つつじ いわほに残る 磯の藤波
回国雑記
卯の花の 咲ける垣根は 陸奥の 籬の島の 波かとぞ見る
拾遺和歌集 読み人らず
荒波の まがきの島に立ち寄れば海人こそ常に 誰と咎むれ
源 重行
陸奥の まがきの渡り 磯なめて わかめ刈るりぞ 海人もゆきかふ
海人平子良集
夕闇に 海人の漁火 見えつるは 籬の島の
蛍なりけり
曾禰好忠
我が背子を 都にやりて 塩釜の まがきの島の 松ぞ恋しき
古今和歌集東歌
籬の島