波とみゆる 雪を分けてぞ こぎ渡る 木曾のかけはし 底もみえねば 駒なづむ 木曾のかけ 路の呼子鳥 誰ともわかぬ こゑきこゆなり さまざまに 木曾のかけ路を つたひ入りて 奧を知りつつ 歸る山人 ひときれは 都をすてて 出づれども めぐりてはなほ きそのかけ橋 木曾人は 海のいかりを しづめかねて 死出の山にも 入りにけるか