立  山 

立山の賦一首 

天離る 雛に名かかす 越の中 国内ことごと 山はしも しじにあれども 川はしも さはに行けども すめ神の 嶺き坐す 新川の その立山に 常夏の 雪降り敷きて 帯びばせる 片貝川の 清き瀬に 朝夕ごとに 立霧の 思いひ過ぎめや あり通ひ いや毎年に よそのみも 振り放け見つつ 万代の 語らひぐさと いまだ見ぬ     人にも告げむ 音のみも 名のみもl聞きて 羨しぶるがね   大伴家持長歌 万葉集 巻19-4000
* 天離る=雛(田舎)にかかる枕詞 越=北陸 賦=詩歌 新川=新川郡(富山県東部)

訳 sanukiya.exblog.jp より
都を離れた遠い地方の その名も高い越の国には 国じゅう隈なく山はあるけど 川はたくさん流れている 神として治めておられる    
新川郡(にいかわこおり)のその立山に
 降った雪が夏じゅう残って 帯のように裾(すそ)を流れる 片貝川の清らかな瀬に   
 朝夕ごとに立つ霧みたいに
 思いが消えることはない 毎年欠かさず通い続けて 遠目にだけでもふり仰ぎ見て 万代先の語り草に   
 まだ見ていない人に告げよう
 噂や名前だけでも聞いて うらやましがってくれるよう

立山に 降り置ける雪を 常夏に 見れども飽かず 神からならし
  大伴家持 万葉集 巻17-4001

      立山の 雪し消らしも 延槻の 川の渡り瀬 鐙漬かすも         大伴家持 万葉集 巻17-4024   

      立山に 降り置ける雪の 常夏に 消ずわたるは 神ながらとぞ   大伴家持 万葉集 巻17-4004

 
 二上山よりの立山連峰と富山市遠望  富山県ネットより              高岡市万葉記念館前の立山の賦一首の碑 
故郷の 人にみせばや 立山の 千歳ふるてふ 雪のあけぼの  宗良親王
日本三大霊場=恐山(青森)・白山(石川)・立山     日本三大霊地=恐山・立山・厚毛(秋田)     日本三大霊山=富士山・立山・白山
    
左 立山の万葉歌碑 全福寺 富山市新庄町102 たち山の文言の両脇に小さい文字で  太刀山に降り置ける雪を常夏に見れどもあかず神からならし と彫られている  右 富山市観光協会ネットより拝借  凡そ400年前 巷間伝わる藩主佐々成政が浜松の徳川家康に会うためこの厳冬の立山越え(北アルプスさらさら越え)は本当なのか
 八尾よいとこ おわらの本場 二百十日を オワラ 出て踊る
おわら風の盆   富山県東部 立山連峰の麓 富山市八尾町 このずっと奥地には相倉・五箇山・白川郷等の合掌造の世界遺産のある集落がある 上の画像は八尾おわら資料館の大型スクリーン映像から撮ったもの 凡そ300年前からと伝えられおわらの由来は多種多様あり定説がないようだ  9月1日から3日間行われる哀調隠る胡弓と三味の音色だけで無言の静かな踊りは去りゆく夏の憂愁の情感さえ漂う  当然だが日本の花火・夏祭り100選である 3日間の風の盆に2万の町に凡そ30万の観光客が来ると言う
 

左端 越中おわら発祥の地碑 八尾おはら資料館前 富山市八尾町東町2105-1 中 日本の秘境100選に選ばれている八尾の里は他に町内のほとんどの民家は間口が狭く奥に長い感じの建て方で古民家風の建物が並ぶ通り道は日本の道100選に指定されている  右端 yukoyukoネットより拝借

 
 左端 町道には上のような石碑があちこちに置かれていておはら節の歌詞が彫られている この石碑には 諏訪町・日本の道百選通り とある 正面には ♪八尾おわらを しみじみ聞けば むかし山風 オワラ 草の声 と彫られている 読めない物もあるが他に 恋の病も なおしてくれる  粋な富山の オワラ 薬売り  ♪唄で知られた 八尾の町は 盆が二度来る オワラ 風の盆  八尾坂道 降り積む雪も 解けて流れる オワラ おわら節  等が読み取れた  中 町内の城山公園からみた八尾町家並 右端 八尾の石垣 山際と井田川に挟まれた八尾町は川の河岸段丘の中に有り坂道が多い 町の景観のためにコンクリートではなく玉石を積み並べて住居を確保してきた玉石の町