いたけもる あま見る時に 成りにけり 蝦夷が千嶋を けぶりこめたり 西行
あたらしや 蝦夷が千嶋の 春の花 ながむる人も なくて散ちなむ 拾玉集 滋円
秋の月 あまねき影を ながめてぞ 千島の蝦夷も 哀れ知るらむ 拾玉集 滋円
やそ島の 千嶋が蝦夷が てつか弓 心強さは 君にまさらじ 清輔集 藤原清輔
駒のつめ 津軽のおちの 蝦夷が島 そをさへなずく 君がのりかも 賀茂真淵
あさましや 千嶋の蝦夷が つくるなる とくきの矢こそ 隙もるなれ 顕輔集 左京太夫顕輔
こさ吹かば くもりもぞする 陸奥の 蝦夷には見せじ 秋の夜の月 山家集 西行
あすは又 いづくの野辺に 枕せん 蝦夷が千嶋も 遠くなりゆく 小磯氏女
陸奥の 蝦夷が千嶋の 鷲の羽に たへなる法の 文字もありけり 夫木和歌集 権僧正公朝
あたらしや えぞが千島の櫻花 なかむるいろも なくてちるらん 花月百首御歌 滋鎮和尚
帰るまで 蝦夷まつまじき 君かゆく 末遥かなる 我が身ならねば 従三位頼政
君が代は 蝦夷が千島の 外までも 都のつとに さそいそくらん 藤原師兼
我恋は あしかをねらふ 蝦夷舟の よりみよらずみ なみまをそ待つ 仲正集 源 仲正
思ひこそ 千島の奥を 隔てねど 蝦夷かよはさぬ 壷の碑 六百番歌合 法橋顕昭
下左 竜飛岬山頂からの蝦夷が千島・渡嶋
初めての岬で余りに近くに北海道が見え思わず隣の方に「あれが北海道ですか」と尋ねてしまった 天候さえ良ければ阿倍比羅夫なら渡ったに違いない 津輕半島は蝦夷・北狄終焉の地で蓬田・蟹田・三厩・小泊には近世まで狄村(蝦夷の村)が存在していた |
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