湊明神社 五所川原市十三
県道12号西側に前潟・後潟・セバト沼・明神沼が細長く続く道を数km行く一番奥に湊明神宮(浜の明神)がある 往時はこの細長い沼の連続がきっと天然の良港だったのでしょう 十三湊水戸口として航海の守護神として鎮座していたのです 十三湖への出入り口としてここに安東水軍の艦船や外国貿易船が舳先ならべ軍事的にも重要視されたに違いない 更に阿倍比羅夫の艦船180艘が停泊し大和朝廷権威のデモンストレーションした湊なのだろうか 普段はじゅうさんと読むが江戸時代はとさと呼ばれていた アイヌ語のト・サム(湖沼のほとり)からきてると言う 又5代藩主津軽信壽が土佐守に任じられたので「とさ」を憚り「じゅうさん」に変えたというのは冗談でしょう
左 十三山湊迎寺(そうごうじ) 
浄土宗の寺で山号がトサヤマ 寺名がソウゴウジといかにも安東氏以来の湊の繁栄を示すネーミングの寺なので載せました 浄土宗開祖法然上人の直弟子金光上人の創建と伝える 五所川原市十三古中道

右・上下  山王坊遺跡日吉神社と大鳥居 山王坊日吉神社遺跡 五所川原市相内岩井
平泉以北では最大級の大寺院遺跡で安藤水軍の宗教文化だ 滋賀県大津市比叡山麓の日吉神社を福島城の鬼門に移入したと云う 数百m南にオセドウ遺跡がある 日吉神社独特の鳥居の型が珍しい

この一帯は山王坊と呼ばれ鬱蒼とした山林に覆われ古来霊地として地域の畏敬の対象とされてきた 中には多くの五輪塔・寳きょ印塔板碑・石墓・石段・拝殿跡・社殿跡が多数残っている 十三湊安東氏の盛衰と一致する貴重な宗教遺跡である

湊明神社境内からは119体の仏像や多数の石仏・土台石が発掘されている

左 湊明神社(浜の明神)

    津軽 其の2

十三湖の一部
 十三湖を太宰は小説津軽で『・・・浅い真珠貝に水を盛ったような、気品はあるがはかない感じの湖である・・・・人に捨てられた孤独の水たまりである』と書いている