をのがつま 波こしつとや 恨むらん 末の松山 雄鹿なくなり        夫木和歌抄 従二位家隆 
時わかぬ 末の松山 越す浪の 花をわけても かへる浪るかな        夫木和歌集 従二位家隆
春山に すゑの松山 浪越さば ころしも花の ちるかとやみん         夫木和歌集 正三位家衡
不如帰 すゑの松山 風吹けば 波越すくれに なきてすぐなり        新中将歌合せ 俊頼朝臣
波越すと 人は見るらん すゑの松 こすゑにたかく かかる藤おは    夫木和歌集 左京太夫顕輔   
藤波の こすゑをこえて みゆるかな こやあつまなる すゑの松山    夫木和歌集 左近中将公衡卿
たのめおきし そのいひごとや あだなりし 波越えぬべき 末の松山         山家集 西行
春なれば ところどころは 緑にて 雪の波こす 末の松山              聞書集 西行  
松山と 契りし人は つれなくて 袖越す波に 残る月影             新古今和歌集 藤原定家
白波の 越すかとのみぞ 聞こえける 末の松山 松風の声              能因法師集 能因
契きな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 浪こさじとは        後拾遺和歌集  清原元輔 
いつしかと わが松山に 今はとて こゆなる波に ぬるる袖かな        後撰和歌集 詠み人知らず
わが袖は 名に立つ末の 松山か 空より波の 越えぬ日はなし           後撰和歌集  土佐
君をおきて あだし心を わがもたば 末の松山 浪も超えなん            古今和歌集  東歌
     国指定天然記念物  末の松山(浪打峠)