陸奥の 緒絶えの橋や これならむ ふみみふまずみ 心まどはす      後拾遺和歌集 藤原道雅
妹背山 深き道をば 尋ねずて 緒絶の橋に ふみまどひける               
源氏物語藤袴
白玉の 緒絶の橋の 名もつらし 砕けて落つる 袖の涙に

しるべなき 緒絶の橋に ゆき迷ひ またいまさらの ものや思はむ
人心 緒絶の橋に たちかへり 木の葉ふりしく 秋の通ひ路
ことの音も 歎くははる 契とて 緒絶の橋に 中もたへにき
かくしらば 緒絶の橋の ふみまよひ 渡らでただに あらましものほ    以上5首拾遺愚草 藤原定家

おもはずに 緒絶えの橋と なりぬれど なほ人しれず 恋わたるかな    
  六百番歌合 藤原 経家
ながらへむ 契りのほども 白玉の 緒絶の橋に かけて恋つつ  
     新続古今和歌集 前大僧正賢俊 
片糸の 緒絶の橋や 我が中に かけしばかりの 契りなるらむ      
新後拾遺和歌集 藤原長秀
逢う事は やがて緒絶の 橋柱 浮名をたつる はてぞ悲しき       
    新千載和歌集 民部卿資宣
うき中は あすの契りも 白玉の 緒絶の橋は よしやふみみじ        
続千載和歌集 亀山院
 宮城県中部のササニシキの故郷 古川市にある100首以上に詠まれた陸奥一級の歌枕である
 
緒絶の橋