最上河 上りもやらぬ 稲舟の 逢ふ瀬すぐべき ほどぞ久しき                      新御拾遺和歌集 道因
最上河 水かさまさりて 五月雨の しばしばかりも 晴れぬ空かな            続千載和歌集 前関白太政大臣
最上河 上れば下る 稲舟の 否にはあらず この月ばかり                       古今和歌集
巻20  東歌
      この有名な歌は色葉集によると『此歌、河は出羽の前の館の前に流れたり、それより、郡々の稲を積みて上るに、
      河の早くて、上りては下り、のぼりてはくだりすれど、ついには上れば、かくよめり』と大日本地名辞書には書いてある

最上河 つな手引くとも 稲舟の 暫しがほどは いかり下ろさむ                      夫木和歌集 崇徳院
    西行上人、ゆかりなる人の、あやまちありて、参らざりけるを、ゆるし給ふべきよし奏してければ
強く引く 綱手と見せよ 最上川 その稲舟の いかりをさめて                           山家集 西行
    またある女の返事の いなふねといい侍りしが こと人に盗まれぬとききて
最上河 たのめし舟の つれなくて 漕ぎ離れぬる 行くさきをみ                     元輔集 清原 元輔
最上河 瀬々にせかれる 稲舟の 暫しとぞだに おもはましかば               続後拾遺和歌集 藤原 俊成
老いはてて なげきする身は 最上河 流れに棹を さすにぞ有りける                散木奇歌集 源 俊頼
あはれとは おもひわたれど 最上河 渕を瀬をとも えこそ定めぬ            古今和歌六帖 藤原中納言兼輔
最上河 深きにもあへず いな舟の 心かるくも 帰るなるかな                     後選和歌集 三条右大臣
最上河 しはしとたのむ 契だに 猶稲舟の とほざかりつつ                      新千載和歌集 鴨 祐夏

最上川発祥の地の碑   長井市
左側白川 右側から松川が合流しここから初めて最上川となる 遠くに出羽山脈の雪景色が見える 又ここは最上川ビューポイントが11ある内の第1号の地点である

 最上河








 長井市内にある宮の船着場
最上川と長井の市街地への重要街道

左中  最上川最終船着場の碑

国道13号線高畠糠野目橋から見た最上川最終船着場跡 米沢〜山形街道沿いで左岸には舟屋敷で賑わったという
 
左右 最上川糠野目最終船着き場
米沢から山形へ向う米沢郊外の高畑町国道13号線糠野目の橋のたもとにある 最上川上流だがここでは松川と呼ばれている   最上川には大小21の船着場があったが主なものはここを含め12ほどである 最終船着場最終の船着き場がここ糠野目の船着場である 北前船の酒田港で荷揚げされた物資は『ひらた船』で中流の大石田湊まできて更に小型船『小鵜飼船』に積み替えて更に奥地の米沢藩まで運ばれ藩の経済活動拠点であった 又糠野目八景とも呼ばれ川と舟で風情ある絵や歌も残されている
入日さす 舟場の沖の 夕なぎに
釣りのいとまも 惜しむ暮れかな
舟つなぐ 芦辺にともす 蛍火は
  夏の川瀬の かがりとぞ見る