浮島稲荷神社 西村山郡朝日町大沼
往時は一院三十三坊があったという この裏がわに浮島の大沼がある
 この近くに元禄7年(1627)羽州最上山形源五郎家信が奉納した石灯篭が2基 立っている 最上義光の孫で13代城主最上義俊である 建久4年(1193)源頼朝が社殿を再建し以後地頭職大江氏の祈願所となる 戦国時代大江氏を破った最上氏が庇護するようになりが元和8年(1622)がお家騒動で改易されると徳川家康の祈願所となり三つ葉葵の使用が許された

雨が降りそうになると沼の西南にある地下水の湧き出る小さな湾に集まるという そして止みそうになると何時の間にか一つもなくなるという 嶋は大抵同じ場所に2日といないという 嶋は夜行性で夜移動するというがほんとうだろうか

  松に吹く 池のうらかぜ わたるらし 波にただよふ 浮島の山 
                      夫木和歌集 詠み人知れず

赤い鵲の橋
なぜかここに男女の固い契りを表す赤い鵲の橋がかかっている 鵲が七夕の牽牛と織姫が年に一度だけ逢う時に天の川に翼を並べて渡した故事に因むのだが 確かに定め無き男女の仲は浮島の如きであることを考えると 人間の理想と現実を考えさせる為かもしれない 案内板には一緒に渡った人は結ばれると書いてあるが心当たりのある方はどうぞ 

国指定名勝 大沼の浮島
 
陸地の傍にあった浮島 上総の島と書いてある 由来版には湖上には『大小60余の島々があり旧日本国の数に例えて名前が付けられていたという 多きいもので一丈2〜3尺 小さいもので尺余りとで春3月頃から初秋至る間の特に朝夕時の浮遊が多いという』 上の浮島を棒で突っついたが浮いてはいるがどうも陸から離れなかった

    鵲の わたせる橋に おく霜の 白きを見れば 夜もふけにける 
   新古今和歌集   大伴中納言家持






大沼の浮島 其の2