上・下 ここが有名な袖の渡り 赤い橋で渡る旧北上川に浮かぶ雄島 涙川があれば完璧だがその場所は不明である 墨廼江の渡し・一文渡しとも呼ばれた  奥の小山が日和山 楕円形の建物は宮城県登米市石森出身石ノ森章太郎の漫画館で町興しのメインである 袖の渡りはどの角度から見てもえもいわれぬ素晴らしい歌枕なのです
 
雄島の脇にある巻石・烏帽子岩 石巻の名称の起源となった石と言うのだ石の後ろに流れの渦巻きが出来るので石巻となったと言う
ここにある写真はお馴染みの被写体である 赤い橋を渡り雄島という小さな島にある素晴らしい松の枝ぶり そして巻石のバランスが何とも絵になるのです 巻石の初見は1682年(天和2年)の大淀三千風による『松嶋眺望集』である 「石巻 川中に大きなる岩あり この影に岩あり 浪巴をなせり この故にこの名あり」と書かれている  1698年(元禄11年)の牡鹿郡万御改書上に「川中 烏帽子石 東西壱間 南北三尺八寸 但し石巻石と申し伝え候」 更に1719年(享保4年)の奥羽観跡聞老志「烏帽子石 住吉社畔華表前の湾に巨石あり高さ六尺 広さ南北三尺 東西九尺その像烏帽子に似たり」とある 
 1773年(安永4年)石巻村風土記御用書出には「当村端郷住吉町住吉大明神地わきに石巻石、石巻渕御座候につきその縁をもって村名に唱えし申し候」とあり石巻の名の由縁となった巻石がある 対岸に尾駮の牧を眺めていると1000年の思いが北上川の大河のようにゆっくり流れてきます 
 又近くには幕末の榎本武揚 土方歳三縁の旧毛利邸 志賀直哉の生家跡もあり歴史の石巻を感じます 
 義経伝説も何とも魅力的な袖の渡りである 何度きても素晴らしい景観が余りにも美し過ぎるきらいはある 名称も風景も伝説も本当に素晴らしい所です
   袖の渡り(石巻) 其の2




  松と巻石が絶妙の構図です