上・下 新北上川大橋(釜谷の渡し) 
袖の渡しの下流2kmにある昔は釜谷の渡しと呼ばれていたが 今は新北上大橋がかかる国道398です 河口から10kmにわたり川幅の半分が葭原であり秋には黄金色になり日本の風景100選・音風景100選にも選ばれている見事な風景です
  上・右上 衣袖山 地元の方は袖山と実に愛情深く呼んでいた 僅か数十mである 共に町道わきにあるが初めての方には殆ど見過ごされて通り過ぎるでしょう 赤い屋根のお宅でお話を伺った  上は新北上川の堤防から衣袖山を望む
 左 衣袖の松 地元の人は袖掛け松と呼んでいる 昔黒松の巨木だったというが今3代目の松が道路の傍らに植えられていた 近所の武山さん宅には初代の松の切り株を神棚に飾ってるよと奥さんが話していた

北上町の袖の渡り
同じ名前でも石巻のそれとは全く違う雰囲気だ この錆付いた碑では余りにも差がありすぎる
 

袖の渡り(北上町) 其の3


北上町本地と河北町馬鞍の町境に衣袖山と言う小山がある またその際にあるお宅の前に衣袖の松がある この前の北上川の渡しを袖の渡しと言う 又昔この前を流れる大河と皿貝川との間に大河から蛇行して船着場え向かう涙川流れていてその跡が水田の中に見える(石巻地方の史談と遺聞 宝文社)とある 著者は古歌に詠まれた渡しは北上町で芭蕉の渡しは石巻と述べている ご覧のように石巻の華やかさこそないがそれが逆に滅び行く者が渡ったであろう陸奥の渡しに相応しい哀愁の雰囲気を持っている 都の人がどのようにしてこの風情を知りえたのだろうか 歌枕の不思議です   
山の麓に皿貝川でこの間に北上川の船着場え向かって流れる涙川という小川があったという 往時は湿地帯だったのだろう 涙川を小舟に乗って渡しまでいったのだろう 涙川の跡は舗場整備事業のため今は見えなくなったと村人は言う 田んぼの中を流れる水路 涙川もこんな風景だったに違いない